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「あの時こうしておけばよかった」オフィシャルインタビュー公開!

2026.05.19

 セカンドバッカーが5曲入りEP『あの時こうしておけばよかった』をリリースする。先行配信された「喧嘩するほど」と「SOS」に加えて新曲3曲を収録し、セカンドバッカーの個性や本質を追求しながらも新境地を感じさせる、まさに成長と意思の強さを証明する1作に仕上がった。このインタビューでは今作に至るまでの経緯とソングライターでありフロントマンのこうへい(Vo/Gt)の“後悔”の捉え方を入り口に、各曲が生まれるまでの背景や彼の伝えたいメッセージや哲学にフォーカスした。結成4年目に突入した彼らはどのようなビジョンを見据えているのだろうか。

◆『あの時こうしておけばよかった』はこうへいの弱さを全面に出したEP

――今作『あの時こうしておけばよかった』は、昨年8月にリリースされた『言えなかったことばっかりだった。』以来、約9か月ぶりのEPです。どんな作品を目指しましたか?

こうへい(Vo/Gt) しっかり伝わるものが作りたかったので、自分の弱さが全面に出るものを目指しました。「犬とバカ猫」の再生数がちょっと伸びて、そこから自分がかっこつけた曲をたくさん出すのは違うなとは思って……言いたいことわかる?(と言ってまさみの顔を見る)

まさみ(Dr) わかるよ。認知度が上がったことでカッコつけすぎちゃうと、自分のやりたいものとは離れちゃうってことだよね。

こうへい 1曲ちょっとハネて、確かにいろんな余裕はできたんです。だからといってめっちゃいい服を着たり、いい部屋に住み始めるタイプの人間でもないし。それでより一層、自分の弱い部分を自分で許せるような曲を作りたいと思ったんです。

――環境の変化に乗じて変化するよりも、これまで磨き続けてきた自分の個性を大切にしたいという意思表明でもあるんですね。

まさみ 実は最初はそういうコンセプトではなかったんですよ。「喧嘩するほど」ができたことをきっかけに、喧嘩を題材にしたEPを作ろうという話から始まったんです。3曲目の「全部やめてやる」は、そのコンセプトを踏まえてこうへいくんが作った曲で。

こうへい でも「全部やめてやる」を作った後、曲が作れなくなっちゃって。

まさみ そんなこうへいくんの様子を見て、喧嘩というテーマで縛った制作はこうへいくんのクリエイティブの幅を狭めちゃうなと思ったんです。それで「一旦好きなように、自由に作ってみたらどう?」と提案したら、こうへいくんも曲が作れるようになって、結果的にこうへいくんの弱さが表れた曲が揃いました。

――それもあって前作に続き後悔を描いた曲が多く揃ったと。『言えなかったことばっかりだった。』時のインタビューで、こうへいさんは「いろんなものがなくなったときに“もっとこうしておけばよかった”という後悔ばかりが募った」とおっしゃっていましたが、こうへいさんにとって後悔とはどういうものなのでしょう?

こうへい そんなに悪いものではないんじゃないかとは思っていて。たとえば特大のカレーがあったとして、必ずしもスプーンで食べるのが正解とは限らないと思うんです。長い箸で食べたっていいし、手で食べたっていい。なんなら全部食べきることも正解とは限らない。そういういろんな過程を経ることで、誰かに対して「今の自分だったらこういうことができたな」と思えると思うんですよね。このEPの曲には「あんなことをしてしまった」からこそ「こうしておけばよかった」という後悔が多いなと思います。

――以前「後悔を曲にすることで同じようなもやもやを抱えた人たちの感情の輪郭を作りたい」ともおっしゃっていましたが、後悔を曲にすることでこうへいさんにはどんな実りがありますか?

こうへい 自分がすごくラクになります。同じような気持ちを持っている人にちゃんと届く歌詞にするためには、自分の弱さを隠さずにしっかり出す必要があるなと思っていて。だからこそ取り繕う必要がなくなって、等身大のままでいられるというか。

まさみ こうへいくんの強みを見せるためにも、弱さをちゃんと伝えないといけないってことだよね。僕は後悔=成長のきっかけと捉えているタイプだから、こうへいくんが曲にする後悔に共感することはあんまりないんです。でも理解はできるんですよね。こうへいくんは後悔を悪いものとは捉えていないけれど、「やってしまった」としっかり落ち込んでる。その落ち込んだ感覚をうまく歌詞にしているし、ネガティブな感情は聴く人の共感を呼びやすいから、心に響く曲になっているんだろうなと思います。

――こうへいさんはしっかり落ち込むけれど、落ち込むことを悪いことと捉えていないので、ネガティブとポジティブをどちらも持ち合わせているんでしょうね。

こうへい ジェットコースターに乗ってるみたいだなって思います。急降下したらその勢いで一気に登ります!(笑)

まさみ 確かに。こうへいくんはジェットコースターで、俺は電車かもしれないね(笑)。


◆大切な人との間に生まれる“あったかい”を集約した「SOS」

――EPのオープニングを飾る先行デジタルシングル曲「SOS」は、《君》が《僕》を連れ出して、一緒にラーメンを食べに行くという友情を描いた青春ソングです。

こうへい 友達からも家族からも、いつもいろんな人から支えてもらっているなあ……とあったかいものを感じるので、それを曲にしたかったんです。だから常日頃いろんな人から感じているあったかいものを組み合わせてひとつにしてるんですよね。あとこの《君》や《僕》は僕自身でもあって、自分だったらどうするかも反映されています。

まさみ なるほど。こうへいくんを取り巻くあったかいものが全部いろいろ混ざってるんだ。

こうへい 距離が近い、お互いの意思疎通が取れている、気心知れた人同士の関係性を曲にしました。前に友達が「激安の食べ放題や胃もたれするくらい大ボリュームのラーメンの店は美味しく食べるために行く場所じゃない。気持ち悪くなるために行く場所だ。その帰り道にみんなで“食いすぎて気持ち悪ぃ! もう行かねー!”って言うのが楽しいんだ」と言っていたのがずっと頭に残っていて。確かにすごく幸せに感じる時間だなと思ったし、そういう感覚を共有できる人同士のあったかい感じを曲にしたかったんですよね。

――あたたかさが表れていると同時に、この曲の登場人物はみんな寂しさを抱えているのも印象的でした。

こうへい やっぱりただ明るいだけの曲にはしたくなかったんです。僕はネガティブな部分もあるから、相談をしたときに「そんなの気にしなくて大丈夫だよ。腹いっぱい食って寝ればいいよ」と言われると、突き放されたような気持ちになっちゃうし。だからちゃんとネガティブな部分を入れたうえでポジティブな曲にしたい、ポジティブにちゃんと味が出るようにしたかったんです。ただただポジティブな曲は心に刺さらない気がするし。

まさみ ただポジティブなだけだと、こうへいくんの伝えたいニュアンスがぼやけちゃうかもしれないよね。

こうへい ただポジティブな曲は書こうとしても書けないんです。まさみくんは自分のことをポジティブだと言っているけれど、ネガティブなことを言う僕を突き放すことはしないんですよ。しっかり話を聞いて、欲しい返しをくれるんですよね。

まさみ 話は逸れるんですけど、この前アメリカに旅行に行ったとき「まさみ繊細だよね」って言われたんです。繊細=傷つきやすい人、こうへいくんみたいな人だと思ってたから、自分が繊細だなんて思ったことなくて悩んじゃって(笑)。

――まさみさんは普段から細かいところまでしっかり見えているから、お相手も繊細とおっしゃったのかもしれませんよ。ドラムのプレイもきめ細やかですし、いつもこうへいさんの心の動きに気を配っているし、大雑把な印象はないので。

まさみ なるほど、そういうものも繊細って言えるのか。それこそ「SOS」は、こうへいくんの繊細な部分が出ていると思います。こうへいくんがいつも抱えている寂しさもありつつ、こうへいくんなりのアッパーでポジティブな気持ちもありつつで、めっちゃいいですね。

――ラスサビの《いっつもいっつも/どこにいても誰といたって変わりはしない/僕は僕で君は君/たまには寄り道もいいんじゃない》という歌詞には、こうへいさんの哲学が見えますが、これはどんな出来事が元になっているのでしょうか?

こうへい セカンドバッカーはラスサビで言いたいことを回収しがちなんですけど、そこの部分含めてラスサビ全部が自分の伝えたいことでもあって。目の前にいる大切な人のために何かしてあげたいけど、自分の正義がその人にとって正義かどうかはわからないじゃないですか。

――そうですね。

こうへい だから相手に合わせることも別に間違っていないし、相手に合わせてみようとする気持ちはすごく大切だと思うんです。バンドだって、お互いがお互いの正義を主張し合っていたらうまくいかないし。それもあって《小さない幸せこそ大切にするということ》と書いたんですよね。歌詞にあるように、つまらないボケに対して笑いながら「つまんないよ」と言ってくれる空気感は、手元が見えているふたりの関係だからこそ生まれるものだと思う。大切なものこそ、いちばん近くに転がっていると思うんですよね。

――そう思います。

こうへい セカンドバッカーにとって大切なことは、1曲伸びたからもっと大きいものを目指すとか、次の曲も再生数を伸ばすこと、早くバンドとして大成することではなく、最大限一生懸命曲を書くことだと思うんです。《僕》と《君》の大人すぎない関係値の理由みたいなものをラスサビで出せればいいなと思ったんですよね。

――寂しいし退屈だから気心知れた人と会いたいけど、もしかしたら迷惑かなと考えたりしてなかなか誘う勇気が出ない人は多いと思います。でもみんな同じように寂しくて退屈かもしれないし、「SOS」みたいに勇気を出して誘って、最高な思い出を作ってほしいなと思いました。

こうへい ほんとにそうですね。僕もなかなか人を誘えなくて(苦笑)。「今誘うのは迷惑かも」とか結構考えちゃうタイプなので。

――こうへいさんもぜひこれを機に《ワガママな天使》になって、大切な人たちをじゃんじゃん連れ出していただいて。

こうへい そうですね。……あ、ワガママな天使ではなく、ワガママな堕天使かもしれない(笑)。

まさみ やかましいな(笑)。


◆「喧嘩するほど」の続編「全部やめてやる」に表れた“弱さ”と“奮起”

――2曲目の「喧嘩するほど」については前回のインタビューで話していただいたので、その後についてうかがえればと思います。ライブではセリフの部分を状況に合わせて変えたりと、フックのある曲になっているのではないでしょうか?

こうへい 音源の台詞部分の「もういいよ、チューしよう! チュー!」は、言ったことがない言葉だから慣れないです(笑)。だからライブではほかの言葉にすることが多いんですけど、そこに自然と自分らしさが出る感覚はあって。

まさみ じゃあやればやるほど自分らしさが出てる?

こうへい うん。でもやればやるほど小慣れ感が出ちゃうのが怖いなとも思ってる。

まさみ 確かにね。でもこの前は何を言おうか悩んで詰まってたけどね(笑)。

こうへい 結局何も言えなかった(笑)。等身大でいられる瞬間でもあります。

まさみ 音源でこうへいくんがタイトルコールをしているのでライブでも必ずやっているんですけど、曲が始まるぞ!って場が締まる感覚があるし、かっこいいなと思って。だから他のバンドもタイトルコールして曲を始める音源をぜひ真似してほしいです。音源のアレンジをライブでそのままできるのもめっちゃ素敵だなと思っていますね。やればやるほど音源にタイトルコールを入れてよかったなと感じます。

――そして「喧嘩するほど」の次の3曲目には、喧嘩をテーマに制作した「全部やめてやる」が収録されています。

こうへい 喧嘩をテーマに曲を作ることになって、周りの人に「俺、喧嘩したいんです。俺と喧嘩してくれませんか!」と頼んでました(笑)。でも言われた側も意味わかんないじゃないですか。そういうなかでなんとかできたのが「全部やめてやる」なんですけど、喧嘩の曲を作るのはなかなか難しくて。「喧嘩するほど」で“喧嘩するほど仲がいい”をテーマにしたから、それ以外の喧嘩を描くとなると悪口になっちゃうんですよ。

――確かに。そうですね。

こうへい 悪口を曲にするのが、自分にとってすごく難しいことだったんです。だからこの曲は自分の弱い部分と、音楽に対して「まだやれる。まだまだやってやる」という気合いを喧嘩っぽくぶつけてみようかなと思って作った曲なんですよね。だからすごく若々しさや幼さ、弱さのある曲になった気がしていて。そういう曲はキーが高くなる傾向にあります。

――サビの激しい高低差のあるメロディは、寂しさが爆発するような、泣き叫ぶような雰囲気で、弱さゆえの攻撃性も表れているなと感じます。

こうへい ほんとにその通りで。子どもの頃って、わからないことやできないことがあると泣くしかなかったりするじゃないですか。全部やめてやると言いながらも、まだやめたくない、うまくいってほしいから嘆いているんですよね。そこでやり方を教えてもらうのもいいけど、自分なりのやり方を考えて、自分なりの正解を出してみるのはすごく大切だと思うんです。曲を書こうとして書けなくなったときにものすごく落ち込むんだけど、「この曲は1年後や2年後に完成させてもいいんじゃない?」と考えたら、心の余裕ができるんですよね。それもひとつの正解のかたちだと思うんです。

――未来の自分がもっといいものにしてくれるかもしれませんものね。

こうへい 「今の自分には超えられない壁だな」と認めて、一旦ここに置いておいて、遠回りしてから戻ってきてもいいんじゃないかなって。Dメロの《大人になったフリした/背伸びは君には届かないし/でも弱いままの自分じゃいたくないから》という歌詞には、正解が見つかるか見つからないかではなく、正解を探さない自分ではいたくないという気持ちを込めました。もちろん正解が見つかったほうがいいけど、正解を自分なりに探すという過程が大切だと思うんですよね。


◆バンドの新境地的サウンドと、いい歌詞が書けたと自負する「大っ嫌い」

――4曲目「大っ嫌い」はセカンドバッカーには新機軸とも言える楽曲ではないでしょうか。ディスコやファンクテイストのビートや打楽器、華やかなシンセ、ギターのカッティングなどリズムが効いています。

まさみ 3ピース編成で作った原型は結構前からあって、そこからバンド以外の音を入れていきました。

こうへい バンドで作ってる段階から、バンド以外の音が頭の中に鳴ってたんです。それでサポートベースの優月.くんの家に行って「こういう音が欲しい」「このギターで鳴らした音をこの音で入れてみて」と相談しながらつけていって。

まさみ 優月.くんはほんといろんなことができるし、今回のEPのベースどれもめっちゃいいんですよ。なんならこのEPでいちばんフレーズがかっこいいパートはベースかもしれない(笑)。目立ちすぎだからもっと制御しないと(笑)。

――これまでも「リンゴ」や「嵐の夜に」などストリングスを入れた楽曲もあるので、セカンドバッカーはバンド以外の音を入れるのは前向きということですよね。

まさみ そもそもバンド始めるときに、こうへいくんはギタリストなのに「ギターいらない」ってずっと言ってました(笑)。ほんとはシンセやピアノを前面に出したいけど、その技術がないからギターを使ってるって。

こうへい 歪んでるギターもかっこいいけど、そういう音が合うのは「喧嘩するほど」みたいな人間くさい曲だと思うんです。ピアノやハープはギター以上に長い歴史を持っているから人の耳に残りやすいし、まっすぐでストレートな歌詞が合うと思っていて。だからギター以外の音を入れたがるのは、僕にとっての背伸びでもあるのかもしれない。そういう意味で言うと、「大っ嫌い」はほんとバランスが絶妙なんですよね。シンセもちょっと風変わりな音だし、そこにファンクっぽいギターの音が混ざって、すごくいいバランスになりました。いい感じの傷がついたことで、すごくまとまりました。

――リズムアプローチはどのように構築していきましたか?

まさみ 跳ねたビートを意識しましたね。あと、サビに入る前のドラムフレーズを入れたのはとあるきっかけがあって。こうへいくん、ヤングスキニーのかやゆー、Gum-9のりゅーじんさん、俺の4人で北海道に行ったときに、生演奏が聴けるミュージックガールズバーに行ったんですよ。隣のおじさんたちがモーニング娘。の「LOVEマシーン」の生演奏をリクエストしたらバックヤードからプロのミュージシャンたちが出てきて、その演奏がめっちゃ良くて! 特にダダン、ダダン、ダダン、ダダンダン!っていうドラムフレーズがずっと頭に残って、それをこの曲に入れました(笑)。

――本当だ。サビ前のドラムフレーズは、「LOVEマシーン」のイントロのリズムのフレーズとリンクしますね。

まさみ こうへいくんのデモを聴いた瞬間に「サビの前にあのフレーズを絶対入れたい!」と思いました。ガールズバーに行くことも音楽活動のプラスになるんですね(笑)。

――「大っ嫌い」は3人の知恵が集まって到達した新境地なんですね。そして曲がダンサブルなので楽しく聴けるぶん、歌詞はなかなか胸をかきむしるというコントラストも印象的でした。

こうへい 何かの動画で「人はどうして結ばれるために戦うんでしょうか」と言っている人がいて、そこから歌い出しの《結ばれるために戦うのはどうして》という歌詞が出てきて、一気に書き上げました。でもその時点では2AとDメロの歌詞がなかったんですよね。この状態でもできているけれど、自分の弱いところが出ているだけ、若さだけの歌詞だからもう一息深みが欲しいなと思って。

――それで過去の回想シーンとなる2Aと、決意表明のDメロの歌詞が生まれたということですね。

こうへい おばあちゃんが木のお盆にいろんなお菓子を入れているの、わかりますか?

――わかりますよ。おわん型のお盆に、おばあちゃんがスーパーで来客やお孫さんのために選んだであろういろんなお菓子を、丁寧に詰め合わせたものですよね。

こうへい あのあったかさが頭の中にポンッて出てきて、あれこそ愛情そのものだなと思ったんですよ。その情景を入れたかったのと、あとDメロですね。《私の不器用なとこも不細工なとこも/自分が一番寄り添えるように》という歌詞がパッと出て。その後に《貴方のダメだと思うとこは/それ以上に愛しく思えますように》という歌詞が出てきたとき、俺はめっちゃいい歌詞を書いたなと思えたんです。

――後の2行はいつもこうへいさんがインタビューで話してくださっている“相手を許す”という愛情が凝縮されていると思います。これが入ることで一気にセカンドバッカーならではの歌詞になるんですよね。

こうへい 自分に自分が寄り添えますようにだけだと、自分だけになっちゃう。だから「大っ嫌い」の歌詞の良さは、Dメロの後ろの2行にあると思っています。ここを書けた瞬間にひとりでにちゃにちゃしちゃいました(笑)。主人公は友達だった子に好きだった子を取られちゃったという状況だけど、自分の弱さも認めて、昔感じたあったかさを思い出して、自分の後悔に気づいて……いろんなことを見つけているんですよね。今は悲しいし、今すぐどうにかできることではないけれど、このとき見つけたことが力になってくれると思うんです。そういうのもあって、バンド以外のいろんな音のイメージが湧いてきたのかなと思っています。


◆主人公の感情や行動にフォーカスして“優しさ”を描いた「君の帰りを待ってる」

――EPのラストを飾る5曲目「君の帰りを待ってる」は普遍性とセカンドバッカーらしさ、どちらも持ち合わせた楽曲だと思いました。歌詞にはポップス的な技法も光りますし、大人になったこうへいさんを感じられます。

まさみ 最初にこの曲を聴いたときに小説みたいだなと思いました。ラスサビに伝えたいことを置くのがセカンドバッカーだけど、そこに向かうまでの間にいろんな展開があるし、物語としてしっかり着地している。こうへいくんの曲をまとめる力の成長も感じます。

こうへい 風景がしっかり想像できる歌詞にしたくて、主人公がこういうときにどんな気持ちだったのか、体調はどうだったのかとか、そういうことをいつも以上に細かく考えながら書いた曲かな。ギターをじゃーんって弾いたときに、「君の帰りを待ってる」の風景がふわっと出てきて、優しい曲だなと直感的に思ったんです。そのときに感じた優しさはなんなのかを自分なりに噛み砕いて、主人公と君の関係性に思いを巡らせながら書きました。EPのタイトルに直結した、まさに後悔の曲です。

――おっしゃったように描写が細かくて、すごくリアルですよね。

こうへい 自分と重なる部分が多いですね。いま住んでいる家も、ドア越しに足音が聞こえてくるんです。《おやすみの腕の痺れも/なくなって》とかは、前一緒にいた彼女に腕枕をしていたことを思い出したりしながら書きました。

――出て行った君にさよならを告げて新しいスタートを切るのではなく、君の帰りを待っているという強烈な後悔で締めくくるのも、セカンドバッカーらしい終わり方だと思います。

こうへい 今回ほんと、EPの流れがすごくいいなと思っていて。友達関係を描いた「SOS」から始まって、「喧嘩するほど」で喧嘩して、「全部やめてやる」と思うくらい感情が荒々しくなって、「大っ嫌い」になって、「君の帰りを待ってる」。

まさみ それでEPのタイトルが『あの時こうしておけばよかった』で。

こうへい ラスサビで回収するように、最後の曲でEPのタイトルを回収してるね(笑)。

――「SOS」も「君の帰りを待ってる」も、それぞれ別の角度から「当たり前だと感じていることこそ大切にしよう」とメッセージを投げかけているようにも感じました。

こうへい やっぱり俺は“慣れ”が怖いんですよね。たとえばお金を持ったなら、もっと美味しいものを食べたり、綺麗な家に住んだり、家事代行を頼んだりしたほうが幸せだと思うんです。でも人から何かをやってもらうのに慣れちゃうことへの恐怖心があって。

――今作は「犬とバカ猫」のヒット後に作ったものだから、無意識のうちに環境の変化でご自分の大切にしてきたものが失われてしまうんじゃないかという危機感が表れたのではないでしょうか。こうへいさんが大切にしたいものや、それに対する意思を表明したものが多いので。

こうへい 高い服を着られる生活レベルだから高い服を着るのではなく、自分の似合う服や今の自分に必要な服を着るほうが絶対にいいなと思うんです。だからみんなには、自分にとって何が必要なのか、自分に本当に必要なものを大切にしてほしくて。そういう意味でも何事にも尊敬と感謝を持っていてほしいし、自分に本当に必要なものを大切にしていたら、ふたりが離れちゃったり別れたりしても、ダメになることはないと思う。「君の帰りを待ってる」で《君》が家を出て行ったのも、《僕》を思っての行動だったのかもしれないし……。“当たり前”と感じるものが増えていけばいくほど、自分にとって本当に必要なものが見えなくなっちゃうと思うんです。

――そうですね。

こうへい みんなも当たり前のように服を着てるし、ご飯も食べてるし、住む場所もあるけど、服が着られなかったら裸で過ごすしかないんですよね。なくなる前にその大切さに気づいてほしいなと思います。これまでセカンドバッカーは見つけたこと、渡したことを曲にすることが多かったけど、今回の曲の歌詞はどれも相手からもらってたことに気づいたものが多い気がしていて。それも新しいかなって。

まさみ 確かに。意外と書いてなかったね。

――今までセカンドバッカーが大切にしてきたことの延長線上にあるもの、ポリシーを守りつつやっていなかった領域に踏み出したのが今作なのかもしれないですね。

こうへい 確かにそうかもしれない。大人になったのかな。でも中心の部分は変わらずに。タイトルに相応しい1曲になりました。


◆結成3周年を迎えたセカンドバッカーの現在地とは?

――『あの時こうしておけばよかった』はセカンドバッカーの根幹にあるものを抽出しつつもバリエーションが広がった意欲作だと思います。これまでの活動が実を結んでいるのではないでしょうか。

まさみ 今年の3月で結成3周年を迎えて、2周年と全然違うなと思ったんです。2周年ぐらいまでは自分たちにとって何が必要で何が不必要なのかもわからないからとりあえず全部やるって感じだったけど、いまは自分たちの方向性や、やっていくべきビジョンがある程度固まってきた感覚があって。だから自分のInstagramにセカンドバッカーに対する思いを書いてみたんですよね。ああいうものを書くのはキャラ的にこっ恥ずかしいんですけど、文章を書くのは結構好きなんです。

――まさみさんは動画クリエイターとしてソロで自己表現をして、セカンドバッカーではこうへいさんをしっかり支えていますよね。その適材適所なバランス感覚は才能のひとつだと思います。

まさみ 僕のドラマーのルーツがYOSHIKIなのも大きいと思います。X JAPANはほとんどの曲をYOSHIKIが書いて、歌っていないとは言ってもYOSHIKIがいないと成り立たないじゃないですか。僕はそれを動画とバンドの2ヶ所でやってる感じかな。セカンドバッカーにおいてはこれからも、こうへいくんを引っ張ったりしつつも基本的には縁の下の力持ちとしてやっていきたいなと。

――それだけこうへいさんが魅力的なフロントマンということですよね。

まさみ こうへいくんは僕と全然タイプが違うから面白いんですよ。僕は“当たり前”を崩すのがめっちゃ好きなんです。去年メンズアイドルのライブイベントに僕だけソロで呼ばれて、正直なんで?って感じじゃないですか(笑)。でもそういうのも全然喜んで行くんです。アウェイな場所に呼ばれて何をしたらいいんだ?と思うと同時に、「どんなことをして会場を盛り上げられるかな」と考えるのはすごく幸せだし、「これを乗り越えられたら無敵やん!」とポジティブに変換しちゃうんですよね。だからこうへいくんの人間性が出た歌詞は魅力的だし、あとこうへいくんのメロディがめちゃくちゃ好みなんです。だから一緒にやりたいし、これからもセカンドバッカーを続けていきたいんですよね。

こうへい (※うれしそうな顔をする)

――こうへいさんも心強い仲間がいるからこそ頑張れると。

こうへい それは本当に。間違いなくそうです。

――EPには音楽的進化が反映されて、結成3周年を迎えてふたりの仲や信頼関係もさらに深まって、ビジョンも鮮明になってきて、6月から全国ツアーが始まって、8月にファイナルを迎えた後も武者修行のようにたくさんライブがあって。セカンドバッカーはバンドとしてどんどんパワーアップしていきそうですね。

こうへい こんなにライブたくさんしたらムキムキになっちゃうね(笑)。

まさみ ライブで筋肉つかないよ(笑)。

こうへい もう少しで『ワイルド・スピード』のドミニクみたいになれるんじゃないかな?

まさみ だから筋肉で例えるのやめてよ(笑)。新しいことができるのがすごく楽しみですね。ビビらずに面白いことをどんどんやれたらなと思っています。

こうへい ほんとすごくいいEPができたなと思うんです。全曲に新しさを感じるから、成長できたという手ごたえがあって。全曲早くライブでやりたいです。

まさみ 秋に予定されているZepp Shinjukuワンマンもめちゃくちゃ楽しみなんですよね。僕個人ではさっき話したメンズアイドルのイベントやサポートドラムでZeppに立ったことがあるけど、バンドでZeppに立つのが初めてなんです。自分たちのお客さんだけでいっぱいになったZeppってどんな景色なんだろう? まだ全然想像できないな。でも俺たちの“当たり前”を崩していきましょう! ね、こうへいくん?

こうへい うん。

まさみ ほんとに思ってる?(笑) このEPで曲のバリエーションが増えたからこそ、これまでセットリストに組み込みにくかった過去曲もやれるようになりそうだから、それも楽しみなんですよね。曲が増えてきたからこそ、ライブごとに合う曲を選べるところまで来れたのがうれしいです。

こうへい フェスやサーキット、全国ツアーのワンマンや対バンでたくさんいろんなことが経験できると思うんです。それを全部自分たちの力にしたうえでZepp Shinjukuに挑んでいきたいですね。ムキムキになります!



取材・文 沖 さやこ

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セカンドバッカー
2nd EP「あの時こうしておけばよかった」

2026.5.20 (web) Release
-収録曲-
1.SOS
2.喧嘩するほど
3.全部やめてやる
4.大っ嫌い
5.君の帰りを待ってる
6.特別音声番組「あの時こうしておけばよかった」(ボーナストラック )

※Streaming&CD購入:https://secondbacker.lnk.to/2ndep

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セカンドバッカー
全国ツアー2026
「あの時こうしておけばよかった」


-ワンマンシリーズ-
・6/13(土) 千葉LOOK
・6/14(日) 越谷EASYGOINGS
・6/20(土) 神戸・太陽と虎
・6/21(日) 和歌山GATE
・6/27(土) 前橋DYVER
・6/28(日) 宇都宮HELLO DOLLY
・7/10(金) 水戸LIGHT HOUSE
・7/11(土) F.A.D YOKOHAMA
・7/19(日) 京都MUSE

-対バンシリーズ-
・7/20(月祝) 名古屋CLUB QUATTRO w/アルステイク
・8/01(土) 梅田Banana Hall w/リュックと添い寝ごはん
・8/02(日) 代官山UNIT w/KALMA

▼チケット:https://w.pia.jp/t/secondbacker-tour26/

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セカンドバッカー
初Zeppワンマン
『いままでのこと、これからのこと』
2026.11.14(土) Zepp Shinjuku

開場16:00/開演17:00

・チケット
①先行限定オリジナルタオル付き
②チケットのみ

最速抽選先行:2nd EP封入最速抽選先行
5/19(火)~5/24(日)まで

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